【知っておきたい】前立腺肥大の手術の種類とメリット、デメリット
前立腺肥大も日常生活が困難な状態になると手術も考える必要があるでしょう。出来れば避けたいものですが、症状が改善すればまた健康な生活を送れるようになれます。どんな種類の手術があるか知っておくことが大事です。

【知っておきたい】前立腺肥大の手術の種類とメリット、デメリット

説明している医者

 

 

感心して訊いている人

前立腺肥大も、日常生活が困難になる状態になると手術も考える必要があるでしょう。

 

手術は出来れば避けたいものですが、症状が改善、全快すればまた健康な生活を送れるようになれます。

 

手術がどのようなものか分かれば、” これならやってみても良いかな ”、と思えるかもしれません

 

前立腺肥大の手術の種類にはどのようなものがあるのか、そしてそれそれの手術の長所と短所についても解説していきます。

 

前立腺肥大の手術の種類

タブレットで患者に説明している医者

 

以前は開腹手術をすることがあったようですが、現在では尿道から内視鏡を入れての手術が主流になっています。

 

 

主な手術方法は以下の4つです。

 

 

肥大した前立腺を「削り取る」 前立腺切除術(TURP)

 

注目サイン 肥大した前立腺を内視鏡に取り付けた電気メスで尿道の内側よ少しずつ削り、細切れになった前立腺を洗い出す手術です。

 

 

長所:

 

ミリ単位で患部の切除が出来る。

 

手術の翌日より食事・歩行が可能。

 

 

短所

 

肥大部分が大きい場合は切除時に出血が多くなることがあり、その結果入院期間が長くなる場合がある。

 

手術中に使用する非電解質灌流液が原因で悪心、嘔吐、血圧低下などを引き起こすことがあり、心臓や肺、脳に病気を抱える患者さんには不向きとされている。

 

 

肥大した前立腺を「くり抜く」 前立腺核出術(TUEB、HoLEP)

 

注目サイン 上述の前立腺切除術(TURP)のように肥大した前立腺を「削り取る」のではなく、前立腺を包んでいる皮を丸ごと内視鏡に取り付けた電気メス或はレーザーを用いて核出(くり抜く)手術です。

 

電気メスを用いる場合は:TUEB

 

レーザーを用いる場合は:HoLEPと表記されることがあります。

 

 

長所:

 

肥大した部分を丸ごと核出(くり抜く)ことにより、手術中の出血が少なくて済む。核出した前立腺は膀胱の中で特殊な機械で細断して体外に取り出す。

 

レーザーを用いる場合は生理食塩水を使用するため、前述の前立腺切除術(TURP)で発生しやすい悪心、嘔吐、血圧低下などを防ぐことが出来る。

 

 

 

 

短所

 

膀胱内で核出した前立腺を細断する必要がある為、前立腺切除術(TURP)より手術時間が長くなる。

 

電気メスを用いる場合(TUEB)、レーザーを用いる場合(HoLEP)と比べ手術者の技術や経験による影響を受けやすい。

 

 

肥大した前立腺を「蒸発させる」 前立腺蒸散術 (PVP)

 

注目サイン 内視鏡に取り付けた高出力のレーザーで肥大した前立腺を蒸発させる手術方です。

 

 

 

長所:

 

前立腺切除術(TURP)に比べて出血量が極めて少ない。

 

心臓や肺、脳などに疾患がある場合でも手術が可能。

 

カテーテルの留置期間や入院期間が短い。

 

術後の性機能など機能障害が少ない。

 

手術翌日から排尿が可能。

 

 

 

 

短所

 

前立腺がんがある場合、手術が受けられない。

 

前立腺が大きすぎると手術後の残存の前立腺が比較的大きいため、長期的には肥大の再発から排尿が悪くなる可能性がある。

 

手術を受けられる病院数がまだ少ない。

 

 

 

 

肥大した前立腺を「壊死させる」 前立腺水蒸気治療 (WAVE)

 

注目サイン 内視鏡の先端から100℃程度の水蒸気を噴霧し、肥大した部分を壊死させる治療法です。

 

壊死した細胞は1〜3ヵ月程で自然に体内に吸収され、前立腺が小さくなって尿道が広がり症状が改善されます。

 

 

 

長所:

 

手術時の出血がほとんどない。

 

手術時間は10分〜15分程度。

 

入院期間が短い。

 

 

 

 

短所

 

手術を受けられる病院数がまだ少ない。

 

手術後に精液量が減る可能性が指摘されています。

 

手術後、数ヶ月から1年以上経ってから尿道が狭くなる場合があります。

 

 

 

まとめ

医者と話をしている患者

 

 

注目サイン ここまで見てきましたように、前立腺肥大の患者数が増えるにしたがって、新しい手術方法も開発されてきています。

 

 

どの方法が自身に合っているかは、前立腺肥大の状況と共に、他の疾患があるかどうかなど総合的な判断が必要です

 

 

以前は男性性器に近い場所の手術なので、男性機能への障害が気になって手術を避けていた方も多かった様ですが、技術の進歩で危険性も下がって来ている様です。

 

 

しかしながら、手術の成否は医者の技術や熟練度によるところが大きいので、手術を受ける前にこれまで手掛けた手術の数や手術を受けた患者の術後の経過などを率直に尋ねてみると良いでしょう。

 

 

最後になりますが、排尿困難の原因が前立腺の肥大だけでなく、膀胱の機能低下にもある場合は手術を受けても症状が改善しにくい可能性がありますので、あらかじめ理解しておきましょう

 

以下のページで詳しく説明します。

 

 

 

 

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