愛犬が前立腺肥大や前立腺炎等と診断され、去勢手術を勧められけ
ど、
どうしようか悩んでいる、とお聞きすることが少なくありません。
特に詳しい説明もなく、去勢手術を勧める獣医さんもいらっしゃるようなので、判断しかねておられる飼主様も多いようです。
ここでは、去勢手術を受ける前に知っておくべきポイントを説明致します。
まず知っておきたいことは、去勢手術に特に注意が必要な犬種がある
ということです。
主に短頭種犬が注意が必要と言われています。
短頭種犬:
短頭種犬に注意が必要な理由:
去勢手術をする際は通常全身麻酔をしますが、短頭種犬は他の犬種に比べて
元々呼吸器系に問題が起こりやすく、全身麻酔中に呼吸困難になりやすいので注意が必要です。
以下の病気を持っているワンちゃんは、全身麻酔手術の際に注意が必要と言われています。
肝臓、腎臓に持病があるワンちゃん:
麻酔の代謝は肝臓、腎臓等で行われますので、これらの臓器が悪いと麻酔から覚めなかったり、肝障害が悪化したり腎不全を起す可能性があります。
心臓に持病があるワンちゃん:
麻酔による心拍出量の減少や心拍数の低下、血圧の低下が起こる可能性があります。
呼吸器に持病があるワンちゃん:
麻酔による呼吸数の減少が起こる可能性があります。
癲癇(てんかん)の症状があるワンちゃん:
てんかんの症状があるワンちゃんの場合、全身麻酔で発作が激しくなる場合があります。
その他注意が必要なワンちゃん:
以上の他に、若齢ワンちゃんや老ワンちゃんの場合は麻酔に関係する臓器の
働きに問題がある場合が多いので注意が必要と言われています。
もし手術をする事になったら、手術前にレントゲン検査で心臓や肺の状況を確認したり、血液検査で肝臓や腎臓などが悪くなっていないかを予め確認し、事前にリスクを下げるための準備をすることが重要です。
病院が手術前にこのような対策をしてくれるかを確認しましょう。
また、手術中、手術後もしっかりケアの体制が整っているかも確認しておきましょう。
意外に思われるかもしれませんが、去勢手術をしたにも拘らず、前立腺肥大が再発したり、尿漏れが続いたりする場合もあるようです。
詳しくは、以下の参考記事 「去勢済みの犬に前立腺肥が起こる理由とは」 で説明しています。
去勢手術をしても症状が改善しない場合もありますので、手術前に担当の先生に説明を受けるようにしましょう。
また、手術後も定期的な検診を受けてワンちゃんの健康状態をチェックしてあげましょう。
前立腺肥大や前立腺炎、尿漏れ等で苦しんでいるワンちゃんを見るのは辛い
事ですが、去勢手術だけが唯一の解決方法とは限りません。
出来るだけ飼主様ご自身でも情報を集められた上で獣医さんの意見も聞き、
十分に納得されたうえで判断されることをお薦めします。