性交渉の後、排尿時に違和感を感じたり、陰部付近に何とも言えない不快感が出たら、何らかの菌に感染している可能性があります。
性感染症とは、性的接触による菌の感染で感染経路の一つに尿道があり、尿道を経て前立腺に入り、前立腺炎や慢性前立腺炎になる場合があります。
慢性前立腺炎は治療が長期化し日常生活や精神面に重大な影響を及ぼしかねませんので、注意が必要です。
感染のリスク予防法、そしてもし感染した場合の対処の仕方を解説します。
まずは、性感染症とはどういうものか。そして、どのようにして感染するのかを知っておきましょう。
性感染症とは:性行為で感染する病気の総称です。
性器や性器周辺の痛み、かゆみ、腫れ、排尿時の痛み、異常な分泌物、発疹、リンパ節の腫れなどの症状を引き起こすことがあります。
性感染症は、そのまま放置すると長期的な合併症や健康問題、そして生殖能力に悪影響を与える可能性がありますので注意が必要です。
どのようにして感染するのか:性行為や性的接触を通じて細菌、ウイルス、真菌などの病原体に感染することが一般的です。
代表的な性感染症には:
などがあります。
以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
日本で最も多い性感染症と言われています。
■ 原因菌:クラミジア・トラコマティス
■ 感染から症状が出るまでの期間:1週間〜4週間程
■ 主な症状:
排尿痛
尿道不快感
片方または両方の陰嚢の腫れと痛み
関節の痛み
尿道から透明や乳白色の膿
尿道から感染して急性尿道炎の原因になることがあります。また、放置すると前立腺炎、精巣上体炎を起こすこともあります。
■ 治療方法:主に抗生物質の内服。
日本で2番目に多い性感染症と言われています。
■ 原因菌:淋菌
■ 感染から症状が出るまでの期間:2日〜7日程
■ 主な症状:
尿道からの膿や出血
排尿痛
尿道の痒み
■ 治療方法:抗生物質の内服、点滴、注射。
■ 原因菌:ヘルペスウイルス。
■ 感染から症状が出るまでの期間:2日〜7日程。
■ 主な症状:
性器に小さな水泡が多くでき、痛みと痒みが伴います。
繰り返し再発する可能性が高いと言われています。
■ 治療方法:抗ヘルペスウイルス薬の塗布や内服。
■ 原因菌:梅毒トレポネーマ。
■ 感染から症状が出るまでの期間:3週間から6週間前後。
■ 主な症状:
感染した場所(性器、肛門、口など)に、できものやしこり、痛み、かゆみのない発疹が手のひらや体中に広がることがあります。
これらの症状が消えても感染力が残っているのが特徴です。
治療をしないまま放置していると、心臓や血管、脳などの臓器に病変が生じ、時には生命にかかわる事態になることもあります。
治療方法:抗生物質の飲み薬や注射。
■ 原因菌:カンジダ菌
■ 感染から症状が出るまでの期間:2日〜1週間。
■ 主な症状:亀頭のかゆみや発疹・小さな水疱が見られる。尿道炎を起こす場合もあります。
■ 治療方法:主に抗真菌剤の塗布。
●射精直前に装着するのでは感染症予防にはなりません。
勃起してから着けましょう。
※口や身体の傷口から感染する場合もありますので、完璧ではありません。
●理想的にはパートナーとは1対1で、お互いが検査を受けて性感染症に
掛かっていないことを確認しておくことでしょう。
●性交渉の前後にシャワーを浴び、出来るだけ性器や身体全体を
清潔にしておき、菌の感染を出来るだけ防ぎましょう。
慢性前立腺炎には大きく分けて、細菌性と非細菌性のものがありますが、性感染症によって引き起こされる尿道炎や膀胱炎は、前立腺に感染し細菌性の慢性前立腺炎の原因となる可能性があります。
また、前立腺炎や慢性前立腺炎が発症した場合、性感染症の各症状が悪化するリスクがありますので互いに悪影響を及ぼしかねません。
よって、性感染症の感染防止と慢性前立腺炎の早期の治療の両方が大切になってきます。
感染が疑われる場合は出来るだけ早く泌尿器科を受診し、治療を開始することが大切です。
治療開始が早ければ早いほど症状の回復も早くなりますし、パートナーへの感染も防げます。
治療では自己診断で勝手に止めたりせずに、完治するまできちんと医者の指示に従いましょう。
性感染症と慢性前立腺炎は相互に関連しており、性感染症が慢性前立腺炎のリスク因子となる可能性があります。したがって、性感染症の早期発見と適切な治療は、慢性前立腺炎の予防や管理に重要な役割を果たします。
適切なセックスパートナーの選択、セーフセックスの実践、定期的な健康診断を受けること等が対策として挙げられます。
性感染症の予防と早期治療を心掛け、慢性前立腺炎の発症リスクを極力抑えましょう。