●最近、愛犬の便の出が悪くなった。
●便をする時に息むようになって辛そうだ。
●オシッコの出も悪くなった。
このような症状がある場合、前立腺が肥大している可能性があります。
前立腺の肥大が進むと直腸を圧迫し便が出てこなくなり、場合によっては愛犬の
生命にもかかわることがありますので、注意が必要です。
以下、対処法について見ていきましょう。
前立腺肥大による犬の便秘は、以下のような犬の健康に悪影響を与える可能性があります。
@まず、便秘によって腸内の便が滞留してしまうことで、腸内細菌の増殖や
毒素の蓄積が起こります。これにより、炎症や感染症などの病気のリスクが
高まります。
Aまた、便秘によって腸内の水分が吸収されすぎてしまうため、便が硬く乾燥し、
排便が困難になります。この状態が長期間続くと便秘を慢性化させる可能性が
あります。
Bさらに、便が腸内に滞留したままの状態で前立腺肥大の症状が進行すると、
血尿や排尿困難などの症状が現れることがあります。これらの症状も犬に不快感
や苦痛を与えます。
以上のように、前立腺肥大による便秘は、腸内環境や排便機能に悪影響を及ぼし、
犬の健康を損なう可能性があります。愛犬の便秘が続く場合は、早めに獣医師に相談し、
適切な治療を行う必要があります。
愛犬に便秘の症状が現れた時は、以下のような対処法を先ず試してみると良いでしょう。
便秘がちの場合、水分不足が原因かもしれません。
与える食事に水分が少ない場合、便が固くなりやすいですので、便を柔らかくするために水分を多めに摂らせましょう。食事以外の時もこまめに水分補給をさせると良いでしょう。
身体を動かすことで便通を促す効果も期待できます。
定期的な散歩は排便、排尿のリズムを作りますので、是非とも日課にしたいものです。
特に老犬の場合、運動不足になりがちですので注意が必要です。健康維持のためにも適度な運動を一日の中に取り入れる工夫をしてあげましょう。
水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維の多い食べ物は便秘解消に効果的です。
水溶性食物繊維は便をやわらかくする効果があり便通を促す働きがあります。
また、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサにもなるため、腸内環境を整えることにも
つながりますので、ワンちゃんの好みに合わせて毎日の食事に取り入れると良いでしょう。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物には以下のようなものがあります。
● 大麦、
● オートミール、
● わかめ、
● 昆布、
● コンニャク、
● ジャガイモ、
● みかん、
● アボカド等。
腸の働きを促す効果があるお腹のマッサージも試してみましょう。
ただし、嫌がる場合は無理に行わない方が良いでしょう。
上記のような対処をしても版ぴの症状が改善しない場合は、前立腺が肥大して直腸を圧迫し、便の排出を妨げている可能性があります。
このような場合、対処法として考えられるのは以下のようなものがあります。
前立腺肥大用のお薬の種類としては、主に雄性ホルモンの分泌を抑える薬の投与になります。
薬の投与による副作用で他の臓器の機能に影響を及ぼす場合もありますので、薬の副作用について主治医に詳しく説明を受けることが大切です。
薬の投与でも症状が改善しない場合は、去勢手術を行うことが一つの解決策となります。
前立腺肥大は雄性ホルモンの影響が関与しているため、去勢手術によって雄性ホルモンの関与を失くすことで前立腺の肥大を抑えることができます。
去勢手術は個体差や年齢、健康状態などによって適応が異なるため、獣医師と相談するとともに自身でも情報を集め、最終的には飼い主が判断することが重要です。
ワンちゃんが高齢で手術を受けられなかったり、薬を飲ませても症状が改善しない場合は、
市販のサプリメントを試してみるのも一案です。
サプリメントは直接的な効果は期待できませんが、それだけ副作用の心配が少ないので、
サプリメントを利用されている飼い主様は多いですね。
ワンちゃんの健康に不可欠な栄養素の補給や、症状の改善に期待が出来る成分も含まれている場合がありますので、ワンちゃんの状態に合ったものを試してみる価値はあるでしょう。
ワンちゃん用のサプリメントとしては、ノコギリヤシやみつばち花粉、カボチャの種等が知られています。
ワンちゃんの便秘はよくあることですが、症状が改善しない場合はそのままにせず、
一度病院で診察を受けることをお勧めします。
これまでに説明してきましたように、前立腺肥大が原因の場合、ワンちゃんの健康に
重大な影響を及ぼす可能性がありますので、早期発見、早期治療でワンちゃんの健康を
守っていきましょう。