将来、愛犬が前立腺肥大にならないように去勢手術をしたのに、前立腺が肥大した。
愛犬が前立腺肥大になったので去勢したけど、手術後前立腺肥大が再発した。
去勢済みの愛犬に前立腺肥大が再発し、なぜ!と困惑されている飼い主の方は少なくないようです。
実は、去勢済みの犬にも前立腺肥大が起こりうることをご存知ですか?
この記事では、去勢済みの犬に前立腺肥大が発生する、意外と知られていない理由とその背景を詳しく解説し、早期発見と適切なケアの方法についてご紹介します。
大切な愛犬の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
参考:20歳と9ヶ月の天寿を全うした愛犬。前立腺肥大でみつばち花粉を愛飲していました
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このページの目次
犬の前立腺肥大には雄性ホルモンの関与が大きく、去勢手術の目的は、睾丸を取ることによって雄性ホルモンの関与を無くすことです。
しかし、去勢をしたにもかかわらず前立腺が肥大してしまうことがあるのはなぜでしょうか?
その理由を解説します。
去勢後に犬の前立腺が肥大する理由のひとつは、肥大の原因が雄性ホルモン以外の場合があげられます。
去勢で睾丸を切除して雄性ホルモンの関与を除いたとしても、雄性ホルモンが影響しない前立腺肥大の原因があるのです。
以下、雄性ホルモンが影響しない前立腺肥大の原因にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
雄性ホルモンの影響以外で前立腺が肥大する原因としては、主に次の3つが考えられます。
順番に見ていきましょう。
前立腺嚢胞とは、前立腺内に分泌液などの液体が溜まった袋状のものです。
前立腺内にできた嚢胞が大きくなると、前立腺が肥大する結果になります。
前立腺嚢胞ができる原因:
前立腺嚢胞ができる原因には、以下のようなものが考えられます。
前立腺膿瘍とは、前立腺が細菌感染して化膿し、前立腺の中に膿(うみ)が溜まった状態です。
前立腺内に溜まった膿が大きくなると、前立腺が肥大する原因となります。
一般的に、前立腺嚢胞が細菌感染すると前立腺膿瘍になります。
犬の前立腺に嚢胞、あるいは膿瘍ができた場合の対処方法には次のようなものがあります。
犬の前立腺に良性または悪性の腫瘍ができた場合、その腫瘍が大きくなることによって前立腺が肥大することになります。
対処策:
腫瘍の種類や程度によって、前立腺の外科的切除あるいは、放射線療法、化学療法などが行われることになります。
前立腺の膿瘍や嚢胞、そして腫瘍は、去勢後の前立腺肥大の原因となり、放置すると深刻な影響を及ぼします。
愛犬の健康を守るためには、兆候を見逃さず、早めに専門的な診察を受けることが大切です。
次に、前立腺肥大の兆候を見逃さないために、飼い主が知っておくべきサインを見ていきましょう。
前立腺肥大は、早期に発見することが重要です。
しかし、初期段階では犬自身が痛みを訴えることがないため、飼い主が気づくのが遅れることがあります。
ここでは、飼い主が見逃してはいけないサインを説明します。
前立腺肥大が進行すると、尿道が圧迫されて排尿が困難になります。このため、以下のような兆候が見られることがあります。
これらのサインを早期に発見することで、前立腺肥大の進行を防ぐことができます。
前立腺が肥大すると、直腸が圧迫され、排便が困難になることがあります。
これにより、以下のような症状が見られることがあります。
これらの症状が見られる場合は、前立腺肥大が原因である可能性があるため、早めの診察を受けましょう。
前立腺肥大による慢性的な不快感や痛みは、犬の日常的な行動にも影響を与えます。
具体的には、以下のような変化が見られることがあります。
これらの変化は、犬が体の不調を感じているサインです。早めに気づいて対応することで、病気の進行を防ぐことができます。
前立腺肥大による痛みや不快感は、犬の姿勢や歩き方にも現れます。
以下のような異常が見られる場合は、前立腺の問題を疑う必要があります。
これらの異常が見られる場合は、早急に獣医師に相談することが重要です。
前立腺が尿道を圧迫することで、犬が意図せずに尿を漏らしてしまうことがあります。
特に以下のような状況で尿失禁が見られる場合は注意が必要です。
尿失禁は、犬にとってもストレスになるため、早めに対策を講じることが重要です。
前立腺肥大のリスクを最小限に抑えるためには、日常的なケアが欠かせません。
適切な食事管理や定期的な獣医師の診察、ストレスの少ない環境作りなどが効果的な予防策となります。
愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
愛犬の健康を守るためには、毎日の食事が非常に重要です。
特に前立腺肥大の予防には、以下の食事管理のポイントを意識することが大切です。
ドッグフードだけに頼らず、新鮮な野菜や果物、肉類など、自然食材を取り入れることで栄養バランスを補完しましょう。
前立腺の健康を維持するために、鶏肉、魚などの良質な動物性タンパク質も積極的に取り入れましょう。これらの食材は、筋肉の維持や免疫力の強化に役立ち、犬の体を内側からサポートします。
便秘が続くと、腸に溜まった便が前立腺を圧迫し、血流が悪くなって前立腺肥大や炎症のリスクが高まります。
しかし、食物繊維を十分に摂ることで腸の働きが活発になり、排便がスムーズになると、この圧力が軽減され、前立腺の健康を保つことができます。
毎日の適切な食事管理が、便秘を防ぎながら前立腺を守るために重要です。
水分は体の新陳代謝を助け、老廃物を体外に排出するために不可欠です。
新鮮な水を常に供給するとともに、ウェットフードや水分を多く含む食材どを追加するのも有効です。
犬が肥満になると前立腺にかかる負担が増え、肥大のリスクが高まります。
食事のカロリーを適切に管理し、運動を日常生活に取り入れることで、体重管理をしっかり行いましょう。
肥満は前立腺だけでなく、全身の健康にも悪影響を与えるため、早めの対策が必要です。
運動は、体全体の健康を維持するだけでなく、前立腺の健康にも良い影響を与えます。
以下の点に注意して、適切な運動を心がけましょう。
定期的な健康チェックは、前立腺肥大を早期に発見するために重要です。
超音波検査や尿検査を含む健康診断を定期的に受けることで、異常がないか確認できます。
サプリメントを上手に活用することで、前立腺の健康をサポートできます。
以上はいくつかの例ですが、ワンちゃんの症状や健康状態を考慮した上で、適切なサプリメントを利用するように心掛けましょう。
サプリメントを利用する際の注意点:
愛犬の体質を考慮した上で、慎重に選ぶことが肝心です。
しましょう。
前立腺肥大の原因は雄性ホルモンが影響する場合が大多数を占めていて、去勢後に前立腺肥大が再発する可能性は低いと思われますが、可能性はゼロではありません。
去勢手術をした後も定期的な検査を受け、日常生活での尿や便のチェックなどで異常があれば早めに病院で診察を受けることが大切です。