去勢済みの犬に前立腺肥大が起こる理由とは。
● 将来、前立腺肥大にならないように去勢手術をしたにもかかわらず、
愛犬が前立腺肥大になってしまった。
● 愛犬が前立腺肥大になったので去勢したのに、その後前立腺肥大が
再発した。
このように、去勢手術をしたのに愛犬が前立腺肥大になってしまう場合があります。
なぜ!と戸惑わないように、去勢手術と前立腺肥大について意外と知られていないポイントを解説します。
犬の前立腺肥大は、雄性ホルモンが原因の場合と、それ以外の場合があります。
犬の前立腺肥大には雄性ホルモンの関与が大きく、去勢手術の目的は、
睾丸を取ることによって雄性ホルモンの関与を無くすことです。
しかし、前立腺が肥大する原因は雄性ホルモンの関与だけではなく、それ以外の原因があります。
前立腺肥大の原因が雄性ホルモンが影響する場合は、去勢によって雄性ホルモンを分泌する睾丸を取るため、再発の可能性はほとんどなくなります。
しかし、前立腺嚢胞(ぜんりつせんのうほう)など、雄性ホルモン以外が原因の場合、去勢後でも前立腺肥大が再発する可能性があるのです。
以下、雄性ホルモンが影響しない前立腺肥大の原因にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
ワンちゃんの雄性ホルモンの影響以外で前立腺が肥大する原因としては、
前立腺嚢胞、前立腺膿瘍、腫瘍などが考えられます。
<前立腺嚢胞>ぜんりつせんのうほう
前立腺内部に分泌液や出血に伴う液体が貯留した袋が形成された状態です。
尿道から分泌物出る場合があり、頻尿や排尿困難の症状が出る場合もあります。
<前立腺膿瘍> ぜんりつせんのうよう
前立腺が細菌感染して化膿し、前立腺の中に膿(うみ)が溜まった状態です。
尿に膿が混じったり、尿の色が濁る等の症状が出ることがあります。
<腫瘍> しゅよう
前立腺ガンのような悪性の腫瘍が前立腺内に出来た状態です。
まとめ:去勢しても油断は禁物
上記3つが去勢済の犬に前立腺肥大が発生する主な原因となります。
前立腺肥大の原因は雄性ホルモンが影響する場合が大多数を占めていて、去勢後に前立腺肥大が再発する可能性は低いと思われますが、可能性はゼロではありません。
去勢手術をした後も定期的な検査を受けられながら、ワンちゃんの健康にご注意下さい。
ワンちゃんの健康をお祈りしております。