犬の前立腺肥大を悪化させない食事療法とは?避けたい食材・おすすめ栄養素
本記事では、栄養学の観点を踏まえながら、犬の前立腺肥大における食事療法の考え方・避けたいポイント・今日からできる栄養ケアをわかりやすくまとめました。

犬の前立腺肥大を悪化させない食事療法とは?避けたい食材・おすすめ栄養素

ドッグフードを見つめている犬



オシッコを漏らしている犬「最近、おしっこの様子が気になる…」


そんな愛犬のために。



前立腺肥大はシニア犬に多い症状の一つです。



ですが、特別なことをしなくても、日々の “食事療法(食事の工夫)” を通じて前立腺への負担を減らすサポート は十分に可能です。


本記事では、犬の前立腺肥大の悪化を防ぐための食事の工夫、避けたい食材、自然な補助食品について詳しく解説します。


愛犬の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。



注目サイン 本記事の目次




愛犬の前立腺肥大の悪化を防ぐための食事のコツ

ヒントサインを持っている女性


犬の前立腺肥大は、


  • ホルモンバランスの変化
  • 加齢
  • 前立腺周辺の炎症


などが複合的に影響していると考えられています。


そして、前立腺肥大は、


  • 便秘
  • 脱水
  • 栄養バランスの偏り
  • 腸内環境の悪化


といった 日常のコンディションの影響を受けやすい という特徴があります。


そのため、食事を通して体内環境を整えることが、結果的に前立腺への負担を軽減し、悪化を防ぎやすくなります


それでは、毎日与える食事でできる、「食事のコツ」を具体的に見ていきましょう。



@:便秘を防ぐコツ

トイレシートに乗っている犬


注目サイン 前立腺肥大の犬にとって、便秘は前立腺への圧迫を強め、症状を悪化させやすい要因になります。


以下のような工夫をすることで、便秘を防ぐ助けになります。



@-1: 適度な食物繊維を混ぜる


  • かぼちゃ
  • さつまいも
  • インゲン
  • りんご など


食物繊維が腸の動きを整え、排便のスムーズさを助けます。



@-2: 消化しやすい食材を選ぶ


  • 白身魚
  • 鶏むね肉
  • 豆腐 など


消化負担を減らし、腸の張りを防ぎやすくなります。



@-3: 腸を刺激しすぎない調理法にする



茹でる・蒸すなどシンプル調理をとりいれましょう



@-4: 水分の多い食事にする


スープやふやかしフードの活用


便を硬くしないために有効です



@-5: 急なフード変更を避ける


消化トラブルを起こさず腸を守るため



@-6: 軽い散歩を毎日取り入れる


腸の動きを自然にサポート。



注目サイン これらにより、便がスムーズに排出されやすくなり、前立腺への圧迫も軽減されやすくなります




A:排尿の負担を減らすコツ

水を飲んでいる犬


注目サイン 摂取する水分が足りない状態が続くと、


  • 便秘
  • 排尿に時間がかかる
  • オシッコの回数が増える
  • 膀胱炎リスクの増加


といった負担が生じやすくなります。


よって、以下のような食べ物に水分量を増やすための工夫を取り入れてみましょう


注目サイン ドライフードの場合


フードにぬるま湯を足してふやかす


→ 食べやすくなり、水分量も自然にアップ



手作りスープをかける


→ 鶏むね肉・白身魚・野菜の茹で汁など



注目サイン また、以下のような水分を自然に飲みやすくする工夫も大事です。


  • 複数の場所に水皿を置く(リビング・寝床・キッチン近く)

  • 散歩から帰った直後に水を差し出す習慣

  • 常温の水を使う(冷たい水を飲まない犬も多い)

  • 軽く温めた“ぬるま湯”にすると飲む犬もいる


注目サイン 水分補給のコツは「飲ませる」よりも 、


@:飲みやすく工夫する


A:食事に混ぜる


B:環境を整える


の3方向で考えると効果的です。



B:腸内環境を整えるコツ

マッサージを受けている犬


注目サイン 腸内環境が整うと、“排泄リズム”が安定し、お腹まわりの張りや炎症の負担が減ります。



犬の場合、腸と前立腺は近い位置にあるため、腸内のガス・便の停滞・いきみなどが前立腺まわりを圧迫しやすい構造になっています


そのため、腸内環境が改善すると、次のようなメリットが期待できます。


  • 毎日の排便が一定になりやすい

    →便が溜まらず前立腺への圧迫が減る

  • 排便時のいきみが少なくなる

    →前立腺への圧力を軽減

  • 不要なガスが溜まりにくい

    →腸の膨張が前立腺を刺激しにくくなる



腸内環境の改善のため、次のようなことをやってみましょう:


@: 腸を刺激しやすい “添加物” の負担を減らす


人工添加物の多い食品は腸に刺激となることがあり、炎症の原因になる場合もあります。


合成香料・着色料が多いオヤツは出来るだけ避けましょう。



A:脂肪分の多すぎる加工オヤツ(ジャーキー類)を控える


脂肪分が多いとカロリー過多になりやすく、肥満につながりやすくなります。


→ 下腹部の圧や炎症のリスク増。


また、脂肪分は消化に時間がかかり、腸にガスや便が溜まりやすくなります。


→ 腸が膨らむと前立腺を圧迫しやすい


注目サイン シンプル原材料のフードやオヤツに切り替えましょう。



B:ほどよい “発酵食品” を活用する(犬用ヨーグルト・犬用納豆など)


発酵食品の力で腸内環境をサポートすることで、お腹の調子を整える効果が期待できます。



C:お腹を冷やさない


お腹を冷やすと血流が悪くなり、消化機能の低下や体調不良(炎症など)を招きやすくなります。


次の点に気をつけましょう:


  • 冬場は冷たい床に直接寝かせない
  • (マットやベッドを活用する)


  • 飲み水は冷水ではなく、常温またはぬるま湯にする

  • 冷たい食材や氷を習慣的に与えすぎない



食事は治療そのものではありませんが、日々のコンディションを整える役割 を担う重要なポイントです。


毎日の積み重ねがコンディションを左右する大切なサポートになります。



愛犬の前立腺肥大を悪化させる可能性がある“避けたい食材・食事”

ドッグフードの横で寝ている犬


注目サイン 前立腺肥大がある愛犬には、前立腺に直接悪影響を与えるというより、体の負担を大きくしやすい食材を避けることが重要です。


以下のような食材が多くならないように注意しましょう:



高脂肪のフード・おやつ


脂肪が多い食事は体重の増加につながりやすく、体全体の負担につながることがあります。


揚げ物や脂身の多い肉には注意しましょう。



塩分・添加物の多い加工食品


加工食品の中には、犬にとって塩分や添加物が多く、負荷になるものがあります。


成分表示の部分をよく確認しましょう。



揚げ物や濃い味付けの家庭料理


揚げ物には油分の多いものが多く消化に負担がかかりやすくなります。


また、家庭料理でも犬にとっては調味料の量が多すぎる場合があります。



消化に負担のある食材


香辛料、脂の多い皮、固い部分、繊維が多すぎる野菜などは消化の負担になることがあります。



水分が不足しがちな食事


ドライフードのみだと水分が足りない場合があります。


水分量は排尿環境とも関わるため、スープやふやかしフードの活用も一つの方法です。



自然なサポートとして取り入れやすい補助食品

スプーンとみつばち花粉


注目サイン 前立腺の健康維持には、ビタミン・ミネラル・アミノ酸など、日々の食事だけでは十分に摂りきれない栄養も関係します。


こうした栄養を補う際に使いやすいのが、自然由来の補助食です。


なかでも「細胞壁破砕みつばち花粉」は、花粉の栄養を吸収しやすい形にした食品で、毎日の食事に少量加えるだけで、手軽に幅広い栄養を取り入れられるのが特徴です。


あくまで健康維持を“サポートする”位置づけですが、前立腺への負担が気になるシニア犬の補助食として利用される飼主様も増えています。



みつばち花粉には、


  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル
  • アミノ酸
  • 食物繊維 など


が自然のまま含まれた総合的な食品として知られています。



細胞壁を破砕して吸収力を高めた、細胞壁破砕みつばち花粉については、愛犬の高品質サプリメント|高吸収 細胞壁破砕みつばち花粉で詳しく説明しています。



■みつばち花粉を犬に与えるときのポイント


  • 少量からスタート
  • アレルギーの有無を確認
  • 他のサプリとの併用は獣医師に相談


自然な食品のため、日常のフードに少し加えるだけで栄養バランスの底上げに活用できます。



食事だけで改善しない場合に考えるべきこと

床に寝そべっている犬



前立腺肥大は進行すると、


  • 排尿困難
  • 血尿
  • 便秘の悪化


などの問題が出ることがあります。


そのため、食事を通して負担を減らしながら、定期検査・必要な医療の併用が安全で最も確実な方法です。



まとめ

バナナを食べようとしている犬


注目サイン 前立腺肥大はシニア犬に多いものですが、日々の食事(食事療法)や体調管理で負担をやわらげることができます。


本記事で紹介した


  • 便秘を防ぐ食事の工夫
  • 排尿しやすくするための水分補給の工夫
  • 腸内環境を整える
  • 自然な補助食品の活用


などは、悪化を防ぎたい飼い主さんにとって、すぐに取り組める実践的なポイントです。


ただし、前立腺肥大は進行すると排尿困難・血尿・便秘の悪化などのリスクがあります。


食事や生活習慣を整えながら、必要に応じて獣医師の診察を併用することで、より安心した毎日を支えられます。


愛犬の小さな変化に気づけるのは飼い主さんだけです。


できる範囲の工夫から、少しずつ取り入れてみてください。



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